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花粉皮膚炎(かふんひふえん)とは
スギやヒノキなどの花粉が皮膚に触れることで生じるアレルギー性の皮膚炎です。花粉症といえば、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状がよく知られていますが、皮膚にかゆみや赤みが出ることもあります。

原因
主な原因は、花粉が皮膚に直接接触することです。特に春先のスギやヒノキの花粉が代表的で、肌に付着することでアレルギー反応が起き、炎症を引き起こします。アトピー性皮膚炎がある方、乾燥肌でバリア機能が弱っている方、花粉症の方に起こりやすい傾向があります。また、大気中の花粉だけでなく、服や髪に付いた花粉が家の中に持ち込まれて皮膚に付着することもあります。

症状
•顔(特に目や頬、口の周り)の赤み・かゆみ
•首やうなじ、耳の後ろの炎症
•乾燥や粉を吹いたような肌
•小さなブツブツや湿疹が出ることも
花粉の飛散が多い日や、外出後に症状が悪化する場合が多く、毎年同じ時期に繰り返す傾向があります。

診断
当院では、症状の出方や発症時期、花粉症の有無などから総合的に判断します。必要に応じて、アレルギーの検査(血液検査や簡易キット)を行うこともあります。

治療法
1. 外用薬
•ステロイド外用薬:炎症を抑えるために弱めのものを短期間使用
•保湿剤:皮膚のバリア機能を高めるために親水クリームやプロペトを毎日使用
•抗ヒスタミン薬入りのかゆみ止めクリーム
2. 内服薬
•抗ヒスタミン薬:アレルギー反応やかゆみを抑える
•漢方薬(症状や体質に応じて)
予防と対策
•外出時にはマスク・メガネ・帽子を着用
•花粉がつきやすいウール素材の服は避ける
•帰宅後は衣服をはたき、顔や手を洗う
•部屋の換気は花粉が少ない時間帯に行う(早朝や深夜)
•空気清浄機を使う
•肌の保湿を徹底する(乾燥を防ぐことでバリア機能を保つ)

おわりに
花粉皮膚炎は顔や首に出現しやすいく見た目にも影響するだけでなく、かゆみなどの
不快感も伴ういます。花粉が飛散する季節だけに症状が現れる場合は、花粉皮膚炎の
可能性を考え、早めの対策とケアが重要です。日々のスキンケアと花粉対策を組み合
わせることで、症状の予防と軽減が期待できます。
当院では外用薬や内服薬だけでなく、点眼薬や点鼻薬の処方も行うことができます。
症状にお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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日光皮膚炎(にっこうひふえん)とは
紫外線を浴びたことによって皮膚に炎症が起きる状態のことです。いわゆる「日焼け(サンバーン)」のことも含まれ、短時間でも強い紫外線を浴びた後に、皮膚が赤くなったり、ヒリヒリ痛んだりする症状を指します。重症化すると、水ぶくれができたり、発熱や倦怠感を伴うこともあります。

原因
日光皮膚炎の主な原因は、UVB、UVAと呼ばれる2種類の紫外線です。
•UV-B:皮膚表面に作用し、赤みや炎症を引き起こす。日焼けの主因。
•UV-A:皮膚の奥深くまで届き、長期的にはシミやシワの原因に。
短時間でも強い紫外線を浴びることで、皮膚の細胞がダメージを受け、炎症反応が起こりま
す。日差しの強い夏場のプールや海水浴、高地でのアウトドアなどで起こりやすいです。

症状
赤み(紅斑)、ヒリヒリとした痛み、腫れ、熱感(触ると熱い)、水ぶくれ(重症の場合)、皮むけ(数日後に起こる)、頭痛・倦怠感・発熱(広範囲に日焼けした場合)
*特に肌が白く、紫外線に弱い体質の人は注意が必要です。

診断
当院では、症状の経過や紫外線にさらされた時間、範囲を確認し、視診で診断されます。薬
剤や病気によって紫外線に過敏になることもあるため、場合によっては薬剤歴や持病の有無
も併せて確認します。

治療法
軽症の場合:
•冷やす:濡れタオルや保冷剤で患部を冷却し、炎症を和らげる。
•保湿:刺激の少ない保湿剤を使って、乾燥や皮むけを防ぐ。
•塗り薬:ステロイド外用剤などで赤みやかゆみを抑える。
重症の場合:
•水ぶくれがある場合には、初期の段階では潰さず清潔を保ち、感染予防が重要です。
•必要に応じて、内服薬(抗ヒスタミン薬や消炎鎮痛薬)が処方されることもあります。

予防と対策
日光皮膚炎は、予防が非常に重要です。以下の方法で紫外線から肌を守りましょう。
1.日焼け止めの使用
SPF30以上、PA++以上の製品を選び、2〜3時間ごとに塗り直すのが効果的です。
2.衣類による防御
長袖、帽子、サングラスなどで直射日光を避ける。
3.日陰を活用
特に10時〜14時は紫外線が強いため、屋外活動は控えましょう。
4.UVカット素材の利用
衣類やカーテン、車の窓などにUVカット機能を取り入れる。
5.光線過敏症のチェック
薬や体質によっては、少量の紫外線でも皮膚炎が起きやすくなることがあります。

おわりに
日光皮膚炎は、夏場が最も起こりやすいですが、軽症は紫外線が急に増える4月頃にもよく起
こります。適切なケアで回復しますが、放置すると色素沈着やシミの原因になったり、悪化
すると感染を起こすこともあります。また、繰り返す日焼けは皮膚の老化や将来的な皮膚が
んのリスクを高めます。日常的に紫外線対策を意識し、肌を守りましょう。日焼け止めの購
入をご希望の方はお気軽にご相談ください。

「あせも」とは
汗が原因で起こる皮膚トラブルの総称です。大きく分けて以下の3つに分類されます。
1.汗疹(かんしん)
汗を大量にかいたときに、汗腺(汗を出す管)が詰まって、皮膚の中に汗がたまってしまうことで発症します。高温多湿の環境や、赤ちゃん・小児に多く見られます。症状は、小さな赤いブツブツ(紅色汗疹)、透明な水ぶくれ(水晶様汗疹)、かゆみ、ピリピリ感が首や背中、肘の内側、太ももなど、汗がたまりやすい部分によく出ます。
対処法は、以下のとおりです。
•通気性・吸湿性のよい服を着る(綿素材など)
•汗をこまめに拭く、シャワーを浴びる
•肌を乾燥させすぎないように、適度な保湿
•夏場は冷房を使って室温・湿度を調整する


2. 汗疱(かんぽう)
原因ははっきりわかっていませんが、手足に汗をかきやすい人や、ストレス・金属アレルギーなどが関係していると考えられています。症状は、手のひらや足の裏に、小さくて透明な水ぶくれができ、かゆみを伴います。水ぶくれが乾燥して皮がむけることもあり、水虫と思って受診される方もよくいます。
対処法は、以下のとおりです。
•強くかかない(刺激を与えない)
•保湿をしつつ、必要に応じてステロイド外用薬
•汗をかいた後は手足を清潔に保つ
•水ぶくれに強い炎症を伴う場合は、金属を多く含む食品の過剰摂取の可能性もある。


3. 異汗性湿疹(いかんせいしっしん)
汗疱が慢性化し、炎症が強くなった状態です。アレルギー体質の人や、アトピー素因
がある人に多くみられます。症状は、手のひらや足の裏に水ぶくれとともに、赤み・かゆみ・皮むけが出て湿疹状に広がり、慢性的に繰り返します。時に細菌感染を伴って悪化することもあります。
対処法は、以下のとおりです。
•炎症が強い場合はステロイド外用薬が使われる
•かゆみが強いときは抗ヒスタミン薬の内服
•汗のコントロール(制汗剤、多汗症の治療など)


おわりに
あせもは、適切に治療すれば早期に改善します。ただし再発も多いため日常的なケア
も大切です。症状にお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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